メイクアシスタントをしています、サト(@satomake12)です。
「リアルな美容業界を知ろう!」をテーマに、美容職インタビュー連載です!
わたしも美容サロンで働いていた時期がありますが、専門職なだけに働く地域や会社で、労働環境はかなり異なりました。
だけど、結局は自分に合っていないと仕事はツラいだけ。なにをメリット・デメリットと感じるかは人それぞれです。
今回インタビューする職業は「地方都市で働くアイリスト(アイデザイナー)」
通称「マツエク」と言われる、人工のまつげエクステを人のまつげに接着していく仕事です。
現在人気の美容職でもあるアイリスト。
普通に働いているアイリストのリアルな労働環境や給料は、実際のところどうなんでしょうか。
実は、わたしもマツエク関係の仕事をしていた時期があるので、かなり深いところまで突っ込んで対談してきましたよ…!
Contents
インタビュー:アイリストの仕事
キャリア8年目アイリストのリアル【地方都市編】
- キャリア :8年目
- 経験店数:2社目 7店舗
- 立場 :1社目(施術、教育技術者指導担当)|2社目(社員)
- 会社規模 :1社目(6店舗経験 社員数150名)|2社目(個人サロン1店舗/スタッフ7人)
アイリストになったキッカケ
Q. いつアイリストになろうと思いましたか?
Eさん:以前は脱毛サロンで働いていました。
だけど、エステ・脱毛サロンで行う、営業契約などが苦手でつらくて辞めてしまって。
それ以外の美容系の仕事を探していたときに、見つけた求人がアイリストの仕事だったんです。
細かい作業は嫌いじゃないし、いいかなって思ったのがきっかけです。
アイリストの資格について
Q. アイリストに必要な資格
Eさん:アイリストは美容師の国家資格が必要です。
Eさん:そう。国家試験はとても大変でした。
でも美容関係の仕事につくなら、どんな道にも進めるように取っておいて損はありませんね。
まつげエクステと美容師免許のジレンマ
マツエクの仕事に美容師免許が必須になったのは2008年。
マツエク業界はまだ新しく、法律が技術者にとって最善ではないことが多いことも課題です。
一時期、無免許マツエクサロンが問題になり、ニュースでもたくさん報道していたことを覚えていますか?
しかし当時、トップレベルのアイリストの方々は「あまり責める気持ちにはなれない。」と、語っておられました。
なぜトップレベルの方々が、「違法もレベルの低い仕事も許せない。でも責める気持ちにはなれないのも本音」と語っていたのか。
マツエクトラブルのニュースがばんばん流れていたまさにその時期、この業界で働いていた身としては、痛いほど良くわかります。
Q. 資格についてどう思いますか?
Eさん:まつ毛に関係ない内容が多すぎるから、アイリストになりたくて美容師免許を取るって子は、少ないんじゃないかな。
- 美容師免許を取るために数年休業
- 経営にまわる
- 引退する
この3択を余儀なくされた。
Eさん:今となっては美容師免許が当たり前になったし、やっぱり現状は線引きとして美容師免許は必要だと感じる。
Q. 資格についての最善はなに?
Eさん:美容師免許じゃなくてアイリスト専用の国家資格は作ってほしい。切実に。
アイリスト専用の資格が簡単に取れてしまうと、それはそれで知識の浅い人が施術してトラブルが増えてしまう。
とはいえ、実際必要な知識を勉強して実技チェックして…ってなると、美容師免許よりも合格率下がりそう……アイリストの仕事って難しいんだよね(笑)
どこも人材不足だし、もっと目指しやすい職業になってほしいな。
Q. アイリスト検定について
Eさん:協会検定については、たくさんありすぎて、まだ統一されていないんですよね…
自由に選べる利点はあるけど、転職をする際に大きなプラスになるわけではないと思う。
自己満足かな。
でも、基本的な知識と技術はあるんだなってアピールにはなると思うけどね。
アイリストの仕事
Q. アイリストのメリットは?
Eさん:努力した分、技術が身につくやりがいがある。わたしは単純に施術が好き。
お客さまによってデザインや異なるから、要望に合わせてデザインすることが楽しい!
Eさん:そう!こだわると、ほんと終わりがないくらいデザインできる(笑)
Q. アイリストのデメリットは?
Eさん:悪いところは思いつきません。
Eさん:眼精疲労は特にないかな。肩こりは多少あるけど、痛くてしかたない!…って感じにはならない。
わたしの場合は体質だけど、運動したりメンテナンスで補うことは重要かもね!
アイリストに必要なスキル、向いてる人ってどんな人?
Eさん:集中力。
予約状況によって、細かい作業が長時間続くことが多々あります。
あとは、手先の器用さが必要。
まつ毛の生え際から1mmほど離してエクステを付けるので、繊細な作業です。
アイリストの労働環境や給料について
Q. 会社によって違いはありますか?
Eさん:1社目時代の規模の大きな会社(アイリストだけで150人在籍)は、技術のこだわりだけではやっていけない難しさがありました。
回転率を優先にしなきゃいけなかったり。
大手だからこそのメリット
Eさん:だけど、スタッフの人数が多いので、お客さまの希望日や時間などに予約を合わせやすく、通いやすいお店作りができる良さはありますね。
Q. 大手マツエクサロンで役職に就くことはどうでしたか?
Eさん:スタッフが多い会社で、役職つけて上を目指すとか、仕事内容が変化することは良いけど、いまの自分にはまだ早いと思ったかな。
まだ自分の技術向上させたいし、現場で施術をすることからまだ抜けたくなかった。
Q. 個人サロンで働くことについて
Eさん:今は役職についていないので、他のスタッフの育成・教育などに時間を割いたり、考えたり行動する必要性は無くなりました。
個人サロンで働く不安
だけど今のサロンでアイリストはわたし1人なんです。
スタッフ数がいると、他のスタッフが入ったお客さまに後日入ると、3週・4週経ったマツエクの状態見て良いところ吸収したり、逆にダメなとこ見つけたりができます。
Eさん:だから今は、他の技術者との比較や、細かい技術面での相談ができません。
あとは何より、代わりがきかない。
その点は不安な部分なので、スタッフが数人が増えてほしいですね。
Q. 給料と労働見合ってると思いますか?
Eさん:見合っていると思います。
Eさん:前よりも今のほうが、総支給額は増えました。
ですが年金・保険は自分で払うので、トータル的にプラスになったかどうかは、今判断できません。
なんせ、まだ1カ月目なので(笑)
でも今の方が仕事したした分、給料が増えていくのでがんばります!
Q. アイリストの社会保障について
Eさん:わたしが新卒で働きだした9年前より、だいぶ良くなってきていると思います。
社会保険がついているところも増えました。
とはいえ、もっと改善されていってほしいですね。
ネイリストのサロンワークについて
Q. どんなシフトスケジュールですか?
Eさん:月7休み。
早番、中番、遅番など時間は様々です。
9時間拘束で1時間休憩。8時間勤務ですね。
Eさん:当時は、9時間拘束の中に朝の開店準備の時間や、夜の締めの時間(レジ締めや片付け、売上報告など)が含まれてなくて。
今の職場は、朝と夜の準備と片付けの時間も勤務内に含まれています。
なので、時間的に余裕はできたかなぁ。
Q. 仕事をする上で知っておくべきこと
Eさん:練習が不可欠。
一通りのやり方がわかっていても、技術に終わりはないと思っています。
お客さまの目の形によってデザインの仕方は毎回違うし、一生勉強のつもりでしています。
Q. どうしたら顧客獲得につながるのか
Eさん:お客さまとの意思疎通。
同じ技術を提供していても、反応や感覚は人それぞれです。
お客さまの感じてることを汲み取って、それをフォローしていくことが大切だと思うな。
アイリストの独立
Q. 独立はしたいですか?
Eさん:まったく考えてないです。
自分に見合った給料がもらえているし、安定を求めているので独立には興味ないかなぁ。
インタビューをした感想
いや~けっこう濃い内容の話ができました。
美容職の中では新しい職種アイリスト。
最後になりますがアイリストは、お客さまが目を閉じている状態での施術なので寝ちゃう方も多く、ずっと話さなくて済むのでコミュニケーションがちょっと苦手…という方にもおすすめな美容職ですよ!
Eさん、ありがとうございました!
- アイリストは美容の国家資格が必要
- スキルと集中力は必須
- デザインスキルの幅は無限大
サト