オススメBOOK

幼少期に芽生えたネガティブ思考ととことん付き合って人生を変えた男の話

メイクの仕事をしています、サト(@satomake12)です。

2018年、第19回アカデミー賞において、日本人で初めてメイクアップ&スタイリング賞を受賞された辻一弘さん(現:カズ・ヒロ)を知っていますか?

彼の参加した2017年公開映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男 』は、のちにこの映画でアカデミー賞主演男優賞を受賞することになる、主演のゲイリー・オールドマンから

「君がメイクをしてくれないなら僕はこの映画を降りる」と懇願され、実現した映画です。

 

普段のゲイリー・オールドマン(左)とチャーチルになったゲイリー(右)画像引用元:(c) Focus Features

 

映画には興味がない方でも、彼の仕事・特殊メイクを人生で1度は必ず目にしたことがあるはずです。

辻一弘氏がメイクを担当した主な作品

 

そして2020年、第92回アカデミー賞。

米国の市民権を取得し名前をカズ・ヒロ(Kazu Hiro)に改名した彼は、2016年にアメリカのテレビ局FOXニュースで行われたセクシュアルハラスメントの実話に基づいた映画

スキャンダル』で、2度目の受賞をされました!!!おめでとうございます!!!

左:普段のシャーリーズ・セロン 右:女性キャスター、メーガン・ケリーになったセロン
画像引用元:GETTY IMAGES, COURTESY

 

メイクの仕事をしているからには、彼の著書には目を通しておかなければ!と、『顔に魅せられた人生』を手にしました。

”顔に魅せられた人生”を楽天で買う

読み進めていくと、おもしろいな~と思う制作話の反面、成功の裏の努力や葛藤。

そして、かなりの回数出てくる、幼少期から悩んでいたネガティブな感情。

辻さんの48年の人生には、ものづくりの情熱と、夢を追いかける人へのエール、そして劣等感と戦い続けた姿がありました。

  • かなえたい夢がある
  • 夢を追いかけるのが不安
  • 劣等感や自尊心の低さに悩んでる
  • 映画が好き
  • 映画の裏側に興味がある

そんな方にはぜひ、読んでみてほしい1冊です。

 

人生を変えるには挑戦し続けること

尊敬できる人と出逢う努力をする

映画好きだった高校3年生の辻少年は、特殊メイクに興味を持ちます。

当時の日本には特殊メイクの学校などなく、たまたま読んでいた洋雑誌に特殊メイクの第一人者ディック・スミス氏の私書箱の住所を発見。

「特殊メイクの仕事をするにはどうしたらよいか」と、辞書を引きながら英語で手紙を出したことが、すべての始まりでした。

ディック氏がメイクを担当した主な作品

ハリウッドの巨匠と夢を追う高校生の文通

すると「自分で勉強するしかない。もし君が作品の写真を送ってくるならアドバイスをするよ」と、すぐに返信が来ます。

辻少年は材料を買い集め、独自に研究しその写真を高校卒業までディックに送り続けました。

高校卒業まで1年を切っていたので、この1年で仕事ができるレベルまで達しておこうと必死だった。

このディックとの文通は有名な話で、わたしも子供のころにテレビで聞いたことがありました。

当時は「行動力が人生を変えるんだなぁ」と思っていましたが、それだけじゃないなと今は感じます。

続けることが一番難しく大切

”努力し続けたから彼の人生は変わった”

写真を送り続けたから、辻少年はのちにディックの弟子になることが出来たし、本当に尊敬できる人と出逢えた。

そして、尊敬する師匠と同じアカデミー賞を受賞するアーティストになる人生へと、続いていきました。

辻氏が制作した恩師のポートレイトと恩師ディックスミス
画像引用元:kazustudios.com

行動することで初めてキッカケを掴める

わたしも師事している師匠がいますが、師弟という関係は本当に特殊です。

仕事だけじゃなく、人生において尊敬できる人に出逢えるたことは、幸運なことだと実感しています。

でもその幸運を掴むには、行動しなければ始まらないのです。

「こんな人になりたい」と思える人に出逢えていない方は、あたらしい出逢いがありそうな場に、どんどん出かけてみてはどうでしょうか。

”顔に魅せられた人生”を楽天で買う

一流の仕事をする人は素晴らしく素敵な人

妥協を許さないものづくりと職人

「一緒に仕事をするのが難しいと噂される大物は、ちゃんと仕事をすれば正当に扱い、尊敬してくれる人であることが殆どだった」

独立してすぐ、21歳で黒澤明監督や伊丹十三監督と仕事をした時のことを、そう綴っています。

辻一弘×黒澤明×伊丹十三

わたしも、メイクの修行をしていると「そんな細かいところまで?!」と思うような事まで、指導を受けます。

誰も気づかない様なところまで気を使って仕事して。大変だなと、たくさん感じました。

小さなこだわりが周りに影響をあたえる

たとえ作った部品が完全に隠れてしまっても、制作したスタッフの気持ちは違ってくる。「ここでこだわった時に、ここまで出来たのだから、次回はもっと良くしていこう」と次に繋がっていく。(中略)一つ良いものを見せられると、他の部分も良くなっていく。

ハリウッドという世界ですら、人々がみんなプロフェッショナルだったわけではありません。

自分が徹底的にこだわって仕事をすることで、周りの人々の意識も変えていったんです。

もちろん、彼の姿勢を嫌った人もいました。でも譲らなかった。

作品は制作者の人生を映す鏡

作品とは、その制作期間にどう生きてきたかの結晶であるべき

会社や組織にいると「自分ばかり頑張ってばかみたい」と思うことは、少なからずありますよね。

でも、頑張って最善を尽くすことに、無駄があるはずないんです。間違っているはずがない。

『顔に魅せられた人生』は、そう断言してくれる本です。

ネガティブ思考だったからこそ辿り着いた天職

人の顔色をうかがうことが観察眼に

『顔に魅せられた人生』を読んでいて1番驚いたのは、呪いのように何度も出てくるネガティブな感情でした。

10代で憧れの人に師事し、20代から多くの功績を残し、数年前からは現代アーティストとしても成功している。

なのに、順風満帆にみえる辻氏の人生は、ネガティブな感情にいつも悩まされています。

その悩みの根源、そして才能がめばえるキッカケは、大人の目を気にしなければならなかった、複雑な家庭環境にありました。

今考えれば人間の顔への興味や観察眼へと繋がったのだと思う。

 

先入観は”ただの植え付け”であって現実ではない

親族からけなされて育った辻氏は、劣等感や先入観は「子供のころからの人間関係の中で、自分で作り上げてしまった世界」だと綴っています。

  • お前はだめだ
  • なんで出来ないんだ
  • あの子は出来るのに

そんな風に言われた経験はありませんか?

わたしには身に覚えがあります。

 

だから、辻さんの言う「現実ではない」という言葉には、目からウロコでした。

だって本当に「自分はダメだ」というネガティブな感情から、すべての思考が始まっていたんです。

ダメだというのが、事実かどうかではなく前提になっていた

 

だから、ネガティブ思考や自尊心の低さに悩んでる方には、一度考えてみてほしいのです。

あなたは、本当は出来ることがたくさんあるんじゃないですか?

人の一生は顔に現れる

アンディ・ウォーフォルのポートレイト作品と辻氏
画像引用元:kazustudios.com

『顔に魅せられた人生』は、たくさんの人の生き様を見ることができます。

現在は『顔』の彫刻作品で現代アーティストとして活動し、リンカーンやアンディ・ウォーホルなど、偉人たちの顔を作品にしています。

その人の人生を読み解いていく場面は面白く、人の内面は顔に現れるというのは、本当なんだなと考えさせられます。

わたしは、自分の顔を鏡で研究してみたくなりました。

また「そんな道具や素材を使ってるんだ?!」と、ものづくり好きにはたまらない内容になっています。

”顔に魅せられた人生”を楽天で買う

めいくをするひと
サト
東京でメイクの仕事をしています。 美容サロン・美容部員を経て、メイクアップアーティスト専属アシスタントへ。 アシスタント日記も書いています(noteに移行中) ▶お問い合わせはTwitterのDMにお願い致します。
\ Follow me /